アカペラサークルで PAを担当してる人間を代表してPAの野口大志さんに質問して来た!〜前編〜【永久保存版】

アカペラサークルで PAを担当してる人間を代表してPAの野口大志さんに質問して来た!〜前編〜【永久保存版】

本記事はアカペラ総合メディア「ハモニポン」の閉鎖に伴い、AJP編集部に移管された記事です。一部表示が乱れておりますがあらかじめご了承ください。

こんにちは、Jぺいです!

ハモネプ第2回王者であり、現在はライブPAとしてもアカペラに関わる野口大志さんのインタビューシリーズ。

今回は『サークルの音響編』!

アカペラサークルでPAを担当する皆さんからの質問を大志さんにぶつけて来ました♪

・なんとなく独学やっている
・できるようになりたいけど勉強の仕方がわからない

「自分のことや!」とどきっとした全国のアカペラーのみんな!明日からすぐ使える事ばかりです!みなさまぜひ!ご一読を♪

アカペラPAなんでもQ&A〈アカペラでサークルPA担当者からの質問編〉

今回ぶつけたのはこのような質問です!

  1. ボイパのイコライジングってどうしたら良いですか?
  2. ベースの仕上げ方が分かりません。 ぼあぼあとしてしまうのですが…
  3. 各パートのバランスってどれくらいが理想ですか?

気になる質問がばかりでしょ!?

Q.ボイパのイコライジングってどうしたら良いですか?

ボイパ単体として良い音を作ろうとするのではなく、バンド全体のバランスを聞いてイコライジングしてください。

イコライジングというのは、Low,Middle,High、それぞれを上げるにしろ下げるにしろ、当然 ながらまずマイクに通す前の「音」があるというのが大前提で、 その音にほんの少し色を付けくわえるためのものというイメージを持ってもらえれば。 なので、音自体が違う音になる、ということは決してないのです!

そのうえで、僕がボイパのイコライジングをするときは、

この子のバスドラムの音色がもっと出たら全体のバランスがもっと良くなるのにな→Lowを上げる

音がこもっていて埋もれてしまっているな→Highを上げる。

など、ボイパ単体で良い音を作ろうとするのではなく、 他のパートとの全体のバランスを見て、イコライジングすることを心がけています。

ここの認識を間違えていて、マイクを通した時のイコライジングに頼っている人って多いです。

それよりも、パーカスの人が一生懸命練習をして良い音を出すことのほうが、 イコライジングに頼るよりも何百倍も良い音になります。 しつこいようだけど、生声でしっかり音を鳴らせるようになることが大事!

Q.ベースの仕上げ方が分かりません。 ぼあぼあとしてしまうのですが…

まずはスピーカーのチューニングを確認してみてください。
(スピーカーのチューニングとは?)

意外と気にしていない人が多いのですが、 ベースの技術うんぬん以前に、まずスピーカーのチューニングがしっかりしていないことが多いです。スピーカーの出音の低域がふくらんでいませんか?確認してみてください。

そして、ベースはただLowを上げるのではなく、無駄なものをカットしてベース全体の音 量を上げると綺麗に聞こえます。

そしてベースの音を作る際、Lowを上げるだけという人が多いと思うのですが、 単純にベース自体の音量が上がればちゃんと聞こえるはずなので、 ただLowを上げるのではなく、無駄なところをカットして、ベース全体の音量を上げてみて ください。より綺麗に聞こえるようになります。

Q.各パートのバランスってどれくらいが理想ですか?

ジャンルに寄って違います!(笑)

当然ですが、基本的には何よりもリードが一番聞こえていることが大事です。

・ロックであればベーパーがより大きく聞こえていた方が良かったり
・ゴスペルだったら各パートそれぞれが溶け合うように聞こえた方が良かったり

ジャンルによりけりのところもあるので、 そこはしっかりバンドで話し合って考えてみてください。

また、コーラスの各パートは当然それぞれのバランスがフラットであることが良いです。

しかしメーターだけを見て調整しようとすると、 トップはコーラスの中でも音が高いため耳につきやすく、メーターで揃えても目立って聞こえてしまいがちです… なのでメーターだけに頼らず、自分の耳でもしっかり音量バランスを確認してください。

あと、混乱して各パートのボリュームバランスがわからなくなった時は一度全てのボリュームをフラットに揃えましょう!

そこからまた足したり引いたりしていく、という方法がおすすめです。


ということで、アカペラPAなんでもQ&A「サークルの音響編」の前編はこれにて終了♪
後編もためになる質問ばかりですのでお楽しみに♪

野口大志
高校時代にアカペラグループ「レプリカ」のベースヴォーカルとして活動し、2001年フジテレビ系番組「力の限りゴーゴゴー!!」内『第2回全国ハモネプLEAGUE』にて優勝。現在はPAエンジニアとして、都内ライブハウスや、アカペライベント『JAM』『50Fes』、多くの大学アカペラサークルライブ等のPAを担当。『A cappella Spirits! DVD』のサウンドミキシングも務める。また、作曲家として前田敦子やBitter & Sweetといったアーティストの楽曲や、テレビ東京系「ゆうがたサテライト」のテーマ曲等、幅広い楽曲提供を行なっている。

Jぺい(インタビュアー)
2010年に駒澤大学鳴声刺心でアカペラを初めて以来、その魅力にハマりV系アカペラグループ「背徳の薔薇」やエンタメ集団「ジャスティンヒーハー」で大活躍。新しいことへのチャレンジに対する欲求が変態レベル。
たいらく(書き起こし)
Jぺいの後輩。ライター志望。行動力の塊。