「自分のアレンジはメンバーが歌ってくれて初めて完成する」のでメンバーには常に感謝の気持ち【#3 むー編】

「自分のアレンジはメンバーが歌ってくれて初めて完成する」のでメンバーには常に感謝の気持ち【#3 むー編】

アカペラアレンジをこれから勉強するみなさん、普段からアレンジに取り組むみなさん。こんなこと思ったことはないですか?

音楽の理論、ソフトウェアの使い方、テクニックを解説する記事や解説動画はあるんだけど、「アレンジャーがどんなことを気にかけているのか」「あの人は何を考えながら編曲しているのか」「まず何から着手するのか」というアレンジャーの頭の中が知りたいんだよなあ

そこで!

普段からアカペラアレンジジャーとして活躍するみなさんに頭の中を赤裸々に語っていただく連載企画「私のアカペラアレンジの進め方」を立ち上げました。

今回は「むー」さんに、頭の中を見せてもらいましょう!

自己紹介

むー
むー

初めまして!香川大学アカペラサークル えいおん OB むー です。現在は社会人で現役時代からのグループや企画グループ等で活動しています。学生時代から数えると今年でアカペラ7年目です。アカペラを始めた時は楽譜は読めませんでした笑。

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僕は全国大会等に出たことはありません笑!地域のイベントや公募制のライブイベント、主催ライブなどで活動していました。全国大会出場などの経験もない僕ですが、立ち上げ当初のサークルにおける活動も沢山してきました。(非公認から公認にしたり、サークルライブの制度を整えたり…)

そんな地方アカペラーでした。なので近い境遇にある全国のアカペラーの方のきっかけだったりヒントになるような内容もあるかなと思います。

参考までにこんなアレンジをしておりました。

そばかす

はじめてのチュウ

アレンジの大きな流れ

  1. 原曲を聴き込む
  2. 全体像で設計図を作る
  3. 打ち込み
  4. パート毎に聴き直す
  5. あとは練習で

1. 原曲を聴き込む

本人と出来ればカバーしてるプロも探して聴きます。プロがカバーしてるものは少し編成が変わっているものもあるのでアレンジの参考にもなりますよ。合計すると100回は再生してると思います。

bank bandのカバー、GooseHouseのカバー、

 曲名カバーで検索すると色々ヒットします

2. 全体像で設計図を作る

#2のみどさんと同じで僕も折れ線グラフを作ります。全体像は大事です。

#2 みど編より引用

3. 打ち込み

順番はリード→ベース→コーラスで入れていきます。基本は冒頭から作りますが、強烈にイメージ出来ている箇所は先に作ったりもします。

4. パート毎に聴き直す

全て打ち終わったらパート毎に聴きます。コーラスも歌ってて気持ちのいいラインにしたいからです。またメンバーの得意・不得意に当てはまる箇所もここでチェックします。最終チェック後に浄書。

コーラスのハモリが1オクターブ以内に収まっているかチェック(基本ですが大事です!)

5. あとは練習で

僕は練習中に修正したり、付け加えたりします。アカペラは「声」で演奏するので歌ってみて分かることも多々あります。それがアレンジャーをしてて面白いところでもありますが。

使用しているツール・ソフトウェア

Domino

ピアノロール画面で音源作成が可能なフリーソフトです。音源を視覚化できるのでアレンジを始めた時から利用しています。当初は楽譜の知識が無かったので音源が「見える」ことがとても助かりました。また個人的には音程が簡素化したバーの様な形で表記されるので、譜面でアレンジするよりも自由で柔軟な発想に繋がると思っています。類似ソフトは昨今多いとおもいますが、操作が簡単なので愛用してます。

MuseScore2

先のDominoで作成した音源を浄書する際に使用しています。歌詞の表記、パートの名前表記など僕は細かく表記する方です。そして最終的にPDFファイルに変換してグループに届ける最後の工程に使っています。

アレンジのこだわり

“プロデューサーとしてのアレンジャー”

グループの表現したいことにおいてアレンジは高い比率を占めます。そして不可欠です。なのでステージ上で歌うことをイメージして楽譜を作っています。ここで全員が動く、この場面で暗転するなど「演出」まで考えるようにしています。グループとしての方向性をしっかり持っておくことはアレンジにおいても大事だと思います。

メンバーが歌いやすい音域

イメージをより正確にするために「メンバーが歌いやすい」音域は常に把握してアレンジを行っています。具体的には、

  1. 地声と裏声の転換点
  2. 地声で無理せずロングトーンを出せる場所(大体最高音の一音下ぐらいになります。)
  3. 得意分野、クセ

この辺りは常に把握してます。あとはこれらを踏まえて練習を盛り上げていく訳ですが、その辺りはアレンジではなくコーチングの内容で長くなるのでここでは書きません笑。(機会があればその内容も紹介したいですが…笑)

困ったときにすること

♪僕が困ったときにすることは2つです!

1. 他にその曲をアカペラアレンジしているグループの演奏を聴く

アレンジが詰まることは少なくありません。僕はインプット量を増やすことでアウトプットできる量を増やしてきました。勿論、そのアレンジを披露する場は様々だと思います。(全国大会等)「パクり」と思われるかもしれない…そんなことも考えるかもしれません。でも、最初はどんどん真似てください笑!とにかくインプットしましょう。その内、真似ようとしても真似が出来ないことが出てきます。それが「オリジナリティ」となってアウトプットされていきます!その過程を経て、アレンジの引出しは増えていきます。

2. 別グループのアレンジを始める

同じ事ばかりしていると思考停止してくるのは当たり前です。かと言って動画を調べるのも……。そんな時、僕は同じアカペラの中で「味変」してみるのも面白いと思いました。全く違うジャンルに手を付けると、思考が一度リセットされるので意外といい正解が見つかることがあります。ただ並行して4.5曲もするのはしないでくださいね笑

こうやってアレンジを学びました

アレンジをはじめたきっかけ

僕は完全に「状況」でした。僕はサークルの4期生で入会当初サークル内にアレンジャーが1.2人しかいませんでした。サークルの今後も考えるとアレンジャーが必要でした。当時は楽譜も読めない状態でしたが、独学で始めることになりました。

アレンジを学んだ方法

幸いアレンジができる同期が1人居て、その子にまずは教えてもらっていました。またその同期からの縁もあってワークショップなどに積極的に参加しました。実を言うと、初めて受けたアレンジワークショップが#2の記事で投稿されていた みどさんが講師をされていたものでした。今でも当時の資料は大切に保管しています。たまに見返します笑。

そしてそこからはアレンジをとにかくこなしました。周りの人に添削してもらったりしながら、数をこなしていきました。

初心者へのおすすめ

スタート地点は様々だと思いますが、まずは「自分の好きな曲」で「とりあえず1曲完成」させることがオススメです。気合をいれてフルサイズでアレンジを始めても中々最後まで辿り着けません。僕は後輩には「ハモネプサイズ(1分半程度)」をまず作るように指導していました。そうすれば満足度も得られ、そのアレンジは実際のグループのセットリストの1曲目に使ったりもできるからです。

アレンジに慣れるには多少時間がかかります。周りのメンバーは暖かく見守ってあげてください笑。

曲名+ピアノ譜で検索するとピアノロールの動画が出てきます。視覚的に音源捉える練習になりますのでオススメです。

まとめ

アレンジャーの層の厚さはサークルにおいて非常に重要です。サークル内で情報共有できるツールがあると便利です。実際、アカペラサークルえいおんには歴代のアレンジやワークショップの資料(サークル内でのワークショップ)がいつでも誰でも見れるようにデータで保存してあります。

僕は自分のアレンジはメンバーが歌ってくれて初めて完成すると思っています。自分のアレンジを表現してくれるメンバーには常に感謝の気持ちを持っています。技術も勿論大事ですが、そのようなマインドを持つことでアカペラ活動もより充実したものになるのではないでしょうか😊

最後までお読み頂きありがとうございました!色々活動が制限されている所もあるかと思いますが、充実したアカペラ活動を送って頂ければ幸いです。

僕は大会等には出る事は叶いませんでしたが、たくさんの方々に囲まれて最高のアカペラ活動でしたよ!

アレンジャーのみなさま

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私のアカペラアレンジの進め方