サークル所属当初からコロナ禍に見舞われ、オンラインを中心とした活動を余儀なくされている2年生。サークルライブや箱ライブなど、多くのアカペライベントが中止・延期、オンライン開催となりました。大学の垣根を超えたアカペラーたちの交流も、以前のように簡単にはできない時代ですよね。
しかし、そんな状況下でも、コロナ禍にいる自分たちだからこそできることを模索し、活動しているアカペラ2年生がいます。
「オンラインアカペラを切り開いてきた唯一の世代なんです。」
「俺たちアカペラ最強勢!」
そう、前向きに熱く語る4人。
彼らを動かす原動力とは。そして、彼らなりのコロナ禍の活動に対する向き合い方とは。これからのアカペラ界を担う次世代アカペラーに取材しました。
目次
ゲスト紹介〜アカペラを始めたきっかけも聴いてみました〜
◯2年目同期交流会主催メンバー
アカペラ2年生を対象としたZoomを使ったオンライン同期交流会を開催!毎回、全国各地の学生アカペラ50〜60人の参加がある大規模オンラインイベント。現在、リモート全体曲企画として「2年目Noroshi企画」も運営中。
◆つっきー(Twitter:@QQo8d)
「小学生の頃からハモネプを見ていたんですが、2019年放送のハモネプをみて『Nagie Lane』さんに惹かれてアカペラを始めました˚✧」
神奈川大学アカペラサークルJACK所属の2年生。2021年からは早稲田大学アカペラサークルStreet Corner Symphony(SCS)にも所属!Japan A cappella Movement(JAM)のコアスタッフとしても活躍中!今回、「2年目同期交流会」を主催したアカペラアクセル全開ガール。
◆イオ(Twitter:@ion_io_)
「大学入学当初、アカペラをやるか迷って体育会に入りました。そこを辞めて彷徨っていた時期に、友人に誘われて今のアカペラサークルに!歌うことが好きです♪」
明治学院大学3年生でありながら、東京大学アカペラサークルLaVoceに所属。アカペラは2年生として活動中!「2年目Noroshi企画」では曲のアカペラアレンジを担当。
◆しゅまり(Twitter:@shum_a_cappella)
「2019年のハモネプを見ていました。そのとき、出演されていた方に憧れて…お近づきになりたいと思ってNoSeRAに入りました(笑)!」
北海道大学アカペラサークルNoSeRA所属の2年生。大学入学直後、コロナ禍でTwitterを見漁っていたところでアカペラサークルと出会う。「2年目Noroshi企画」では音源編集を担当。
◆シャンクス(Twitter:@shanks_del)
「もともと音楽系のサークルを考えていて、友人に誘われたボイ部(VOICE TRAINNING部)の新歓でアカペラを見て、めっちゃおもしろそうだなって思いました!」
東北大学アカペラサークルdel mundo所属の2年生。以前、東京理科大学VOICE TRAINNING部で半年間過ごしていた。大学が変わっても絶対に続けようと、受験のモチベーションはアカペラだったそう!「2年目Noroshi企画」では映像編集を担当。
コロナ禍だからこそ求められていた交流の場
Q.オンライン同期交流会開催のきっかけを教えてください!
つっきー:私が1年生のとき、同期の子が1年生交流会をやっているのをクラブハウスで見つけて、とても良いと思ったのがきっかけです。その後、「平成電波」の交流会があったのでサークルの人を誘ってみましたが「自分のサークルでも参加できていないのに全国規模で先輩がいる中での交流はハードルが高い」という話を聞いて…。そこで、同期だけの交流会に需要があると思い、それをTwitterでつぶやいたらたくさんの方から反応をもらいました。「みんなも同じこと考えているんだ」と感じ、やってみようと思いましたね。
ー皆はそのツイートを見ていたんですか?
シャンクス:はい!いつか誰かが交流会を企画するのかなと考えていましたが…「早っ!」と思いましたね(笑)。自分のサークルではできる形で親睦を深めていたので、やった方が良いと思っていましたし、他の人にも交流を持ってほしいと感じていました。ツイートには即、「いいね」しました!
しゅまり:私は「平成電波」の交流会でつっきーと同じグループで、知り合いました。しばらくして、たまたまつっきーの同期交流会開催に関するツイートが流れてきたんです!その行動力に尊敬して、ここで一歩頑張ってみたいなと思いました。コロナ禍で自分のサークルの雰囲気が落ち込んでいたので、私に何かできないかなと考え、参加しました。
イオ:私は1度クラブハウスで話しているところに入って、もう既に他大生と交流している同期がいて「怖い!」って思ったんです…(笑)。でも、数ヶ月経って交流会についてのツイートを見て、サークルの先輩でもインカレバンドを組んでいる人も多かったこともあり「やっちゃえ!」と思って参加しました。
Q.交流会参加者の人数やサークルの種類はどのくらいですか?
つっきー:1回ごとの参加者は50〜60人くらいです。交流会のLINEグループには160人以上います!私が知らなかったサークルの人も来てくれるので嬉しいですね。交流会終了後には皆、Twitterで「交流会楽しかった」とつぶやいてくれるんです。さらに、それを見て「参加したいです」と連絡が来ます!
イオ:そうそう。「サークルから1人だけど来てみました」みたいな。それで「次は友達連れてきてね」って(笑)!
ー自然と参加者が集まるのは良いことですね。
シャンクス:「#アカペラ2年生交流会」という共通のハッシュタグがあるんです。それで検索するとツイートが見られて、「あ!この人一緒に話した人だ!」って!
イオ:1回の交流会で30人くらい(Twitterの)フォロワーが増えることも(笑)。
Q.2回の交流会を経て、気づいたことはありますか?
シャンクス:コロナ禍で対面はもちろん、ミックスや映像編集の技術がないためにリモートでもアカペラが全くができないという悩みがある人がいました。逆に、僕たちみたいに、感染対策をした上であれば対面でできている人もいて。うーん。参加している皆も他大生を前に冷静に、客観的に話すんですけど、内心、「なんでお前らできてるんだよ!」と感じている人もいると思うんです。「皆、フラストレーションがたまっているんだな」と思うくらいに沢山しゃべってくれるんですよね(笑)。
つっきー:以前はライブなどのイベントで交流することが多かったと思いますが、今はそれができません。だからこそ、こういう機会を作ることができて良かったと思うし、参加者の皆もそう言ってくれるので嬉しいです。
イオ:楽しいです。世界が広がるというか。他大生から学ぶことも多いです!私はLaVoceで広報の仕事をやっているんですが、同志社大学アカペラサークルOneVoicesのTwitter広報を見て刺激を受けました!そのアイデアをいただこうかなと(笑)。
シャンクス:他大サークルの文化に触れられるよね。俺、「マルチアカペラー」っていう単語を初めて聴いた!あと、コーラスの一番上のパートの呼び方が「Top」の派閥と「1st」の派閥があるよね(笑)!
しゅまり:私「1st」しか知らなかった!
一同:へえー!
シャンクス:ほとんどの学生がサークルは1つしか入っていないので、外部との交流会だとそういう発見がたくさんあるんですよね!顔は笑ってるけど心の中では必死にメモしているみたいな(笑)。楽しくて、実りがあります。
つっきー:交流会のLINEグループでも、皆のSNSのアカウントや自分のバンドを宣伝・共有しています!
ーめちゃくちゃ良いコミュニティですね!好きなアカペラバンドの話とかも…?
一同:しますね〜!
シャンクス:推しバンド!
しゅまり:わかる!推しに会えちゃうこともあるからね(笑)!
アカペラ2年生による「戦いの合図」
Q.現在、稼働中の「2年目Noroshi企画」について教えてください!
つっきー:もともと、やぶさんが企画した1つ上の代のリモート全体曲が大好きで、いつか自分たちもやりたいと思っていました。(【全国の2年生で】Mela!-緑黄色社会【アカペラ cover】)交流会をしていくなかで、アカペラをやりたいと思っている2年生の多さに気づいて「じゃあ、やろう!」と。アレンジをイオに、音源編集をしゅまりに、動画編集をシャンクスにお願いしています。
※同期リモートアカペラ企画主催者へのインタビュー記事はこちら
【インタビュー】同期リモートアカペラ企画主催者の2人にインタビューしてきました!
ー「Noroshi」に込められた思いはなんですか?
シャンクス:「狼煙(のろし)を上げる」とは「戦いの合図を出す」という意味です。これからムーブメントを起こすぞ、と意気込んだ気持ちを表しています。今のアカペラ2年生は始めてから絶賛コロナ禍。コロナのないアカペラを知らない人たちがほとんどなんです。だから、3年生以上の人は、これからのアカペラ界隈について不安に思う人も多いと思っています。そこで、「俺たちは生きているぞ!アカペラ界隈まだまだこれからだからな!」と戦いの狼煙を上げる気持ちを込めました。また、曲が「シグナル」なので、その「サイン・合図」の意味とも掛け合わせています。
ーおお…鳥肌が立ちますね…。なぜ、「シグナル」に?
つっきー:リモート全体曲をやるにあたって、曲決めの前にまず、イオにアレンジをしてほしくて声をかけました。そしたら、「シグナル」を提案してくれたんです。
ーイオさん、声をかけられてどうでしたか?
イオ:正直、私は音楽理論など全く分からなくて…。実は芸術学科なんですけど、音楽理論の授業を落としちゃうくらいだめで(笑)。感覚で作譜をしているので「いいのかな…?」と思いながらも、つっきーからの愛を感じたのでやることにしました。3年前に、NHKの「18祭」という番組で聴いた「WANIMA」の「シグナル」をやりたいなと思いました。
「早く明けてみやがれ、コロナ!」リモート世代なりにできることを
Q.皆さんでこれからやっていきたいことはありますか?
シャンクス:アカペラ2年生の代でいうと、全国から皆で集まって1日では収まらないようなでっかいライブを、でっかい会場でやりたいです!個人的な話でいうと、組んでいるバンドで解散ライブを開きたいです。先輩に、解散ライブでは自分たちと仲の良いバンドを呼ぶと聞きました。仲良くなった全国の友達を呼んで解散ライブがしたいですね。
つっきー:めっちゃいい!やりたい!同期ライブを開催したいです。2,3年生で開催するのは(コロナがあって)現実的ではないと思っているので、できても4年目ですかね…。私たちの同期はこんなにすごいんだぞって見せたいです!全体曲もやりたいし、シャッフルバンドでいろいろな人とも歌いたいし。
シャンクス:それは泣いちゃうかも(笑)!
しゅまり:なによりも会いたいよね。
一同:わかる。会いたい。
ーこのお話を聴いていて私が泣きそうになりました、、(笑)。コロナの状況が落ち着いて、皆がやりたいことができるように心からお祈りします。
シャンクス:僕が好きな「吉田山田」というアーティストが、ラジオで「コロナ禍が明けたら元の生活に戻るのではない。コロナ禍が終わった後だからこそできることを考えて、コロナ禍のうちから行動していく。コロナがある世界線をうまく利用して、コロナ禍だからこそできることをしていく。」と言っていました。その言葉をずっとモチベーションに頑張っています。
つっきー:私たちは対面で活動ができていない代なので、サークルの先輩たちに「かわいそう」とか「対面での楽しいアカペラを経験させてあげれなくてごめんね」と言われました。でも、それは違うなって。もちろん、対面のアカペラをやりたい気持ちはあるけど、先輩たちにそう思わせてしまったのがすごく悲しいし、申し訳なかったです…。それで、リモートでもできる限りの活動、リモートだからこそできることをいっぱいやっていこうと思いましたね。先輩たちが卒業するときに「リモートでしたが、ありがとうございました」と、同期で全体曲をつくって送り出しました。先輩たちには「対面活動はできていないけど、リモートで全国で交流していてすごいね!」と思ってもらえると嬉しいです。
イオ:それは私もものすごく思っています。かわいそうじゃないんですよ。対面アカペラをやってきた先輩に教わりながら、オンラインアカペラを切り開いてきた唯一の世代なんですよ。そうやって技術を持った私たちがやるコロナ禍後のアカペラは、めっちゃすごいものが作れるのではないかと思います。見ていてほしいです!
シャンクス:俺たち、アカペラ最強勢(笑)!
つっきー:こんな大変な時期を乗り越えてきた私たちだから、できないことはないと思います!
しゅまり:早く明けてみやがれ、コロナ!
ー皆さん、めちゃくちゃかっこいいです!ありがとうございました。これからのご活躍も応援しています!
編集後記
インタビューと編集を担当したりさこです。
今回、4人にお話を伺ってとても刺激を受けました。今置かれている状況に怯むことなく、前向きに、今だからできることを考えて行動していく姿に胸を打たれました。
学年としては私の1つ下の代になりますが、見習うべき点がたくさんあります。
今、コロナ禍で思うようにアカペラができていない学生の皆さんも、この明るく前進する2年生の活躍を見て、「自分も頑張ってみよう」と少しでも感じていただけたら幸いです。
そして、何よりとても仲良しな4人でした!インタビュー中、笑顔と会話が途切れることはありませんでした。直接会えなくても、こうして絆を深めていることも素晴らしいと思います。これからの皆さんの活躍を応援しています!
議事録と書きおこしを担当したわくです。
今の2年生、すごいですね。
とても熱気があって、そしてとてもポジティブで、対面での活動が制限されている状況ではあるものの今できることを探り挑戦し続ける姿にはとても心を動かされました。
いつか、2年生のみなさんの熱い演奏を対面で聴けるのを楽しみにしています(^^)
4人とのコンタクトと議事録を担当したさかぺです。
私自身アカペラ2年目なので、同期交流会には何度か参加しました。
こんなにも行動力や向上心、志が高い人が同期にたくさんいるんだということにかなり驚き、刺激をうけました。このような、「全国の同期と一斉に交流できる機会」は、リモートだからできることなのでしょう。
リモートだからできることを散々した上で、それで繋がった固い絆でライブ開催をできる日を楽しみにしています!!!
お忙しい中、4人の同期はインタビューに応えてくださりありがとうございます!
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