新型コロナウイルス感染症の影響で、まだまだ対面でのあらゆる活動が難しい状況です。
そのような状況の中で、音楽系団体はどのような活動を行っているのでしょうか。また、その裏には、どういった困難や、それを乗り越えるための工夫があるのでしょうか。
今回は、九州アカペラサークルCUEのたすくさん、Nagiさんにインタビューしました。
バックナンバー:本連載はこちらにまとまっています。
目次
九州アカペラサークルCUE
CUEのサークル代表 たすくです。NO RAMEN, NO LIFE.
CUEのサークル幹部 Nagiです。B’zとビールが主食です。
インタビュワー
AJP編集部のあやねる。Twitterとルービックキューブが大好き。
AJP編集部のよしだ。マクドナルドとお寿司が大好き。
コロナ禍での活動方法について
早速ですが、本日はよろしくお願いいたします!
入念に準備を進めて2020年3月に晴れて設立したのに、早々にコロナショック……。なかなか厳しいスタートだったと思うのですが、CUEはこれまでにどんな活動をされてきましたか?
そうなんです幸先の悪いスタートで(笑)
ただ、この状況下でもできることはないか、サークル幹部で考えオンライン上でたくさんの活動をしてきました。大きくは以下の3点です。
- サークル説明会
- リモートアカペラ(6月)
- オンライン講習会(8月)
コロナ禍で活動が制限されオンライン活動しかできない中、リモートアカペラからオンライン講習会まで濃い活動をされていらっしゃいますね。詳しく教えてください!
コロナ禍での新歓活動について
CUEの場合はサークル説明会が新歓活動にあたると思うのですが、どういったことをされていましたか。
全国的に行われているように、ツイキャスやZoomを活用して説明会を行っています。例えば以下のツイートです。
とてもきれいにまとめられた資料ですね。サークルの活動が想像しやすいです!
私がデザイン周りで頑張りました!ありがとうございます!
新歓活動をやってみて困ったことは、何がありますか?
……たくさんあると思うのですが(苦笑)
そうですね……(笑)
やはり一番大きいのは、実際に私たちが歌っている姿を見せることができないし、逆に見ることもできないところです。
確かに。「アカペラを生で聞く」という体験ができないのは、新歓を行う上で大きなハードルですね。
ただ、歌っている姿は見せられなくても、幹部や立ち上げメンバーの想いをCUEの理念・行動指針に落とし込み示したことで、サークルのカラーは伝えられていると思います。徐々に入会希望者も増えてきており、現在16名で活動しています。
オンライン講習会について
オンライン講習会も行っているということですが、どういったものでしょうか?
あ! その募集ツイートを拝見しました!
ありがとうございます!
今までに活動していた中での繋がりや、過去にお世話になったご縁を基に実施することができました。
この他、サークル員限定でのオンライン講習会も行っています。
サークル員限定講習会!
そうです。オンライン全体会の一環として行いました。
これは私のこだわりなのですが、勉強会は積極的に行いたいと思っています。モチベーション向上にもなるし、新しい気付きを得るきっかけにもなるし、自身のスキルアップにつながりますよね。
私はアレンジの勉強もしているので、学んだことのアウトプットの場としても活用しています。
実際にサークル員からの評判もよく、講師も聴講者もお互いにwin-winで実施できています。
コロナ禍の今は「インプットを増やす良いタイミング」と言われることも多いですが、たすくさんの場合はアウトプットまでやっちゃってるんですね!すごい!
リモート演奏について
リモートアカペラにもトライされていますが、音源や映像の編集はどのように進めたのでしょうか?
すべて私が行いました!(笑)
もともと趣味として楽しんでいたので、作業自体は問題なくできました。
すべてたすくさんが!?
すごい…!(笑)
リモートアカペラを通して、困ったことはありましたか?
CUEの場合は、サークル設立からオンライン活動なので「サークル員と生でハモる」ということがまだできていないんです。
ですから、お互いがどんな歌声かわからない状態だったので、ハーモニーの正解が想像できず、完成させてみたは良いのですが、イメージと違うものが出来上がりました…(苦笑)
しかも全員がレコーディングに慣れているとは限らないので、録音してもらうだけでも一苦労でした。
私もリモートアカペラ企画を運営したことがあるのですが、同じ点で苦労しました。
かといって録り直しをお願いするのもなんだか憚られるし、オンライン上で録音方法を伝えることも難しいですよね。
まさにその通りです。
ただ、先日の伊藤俊輔さん・ハヤシヨシノリさんによるワークショップで発声の改善やレコーディングのコツを学べたので、今後に活かし再度リモートアカペラにチャレンジしたいと考えています!
サークル活動を通してわからないことに出会ったら、それを解決する場もサークル内で用意されているんですね。
さすがです!
ありがとうございます!
演奏会の開催やイベント出演に関して
まだオンラインでしか活動できていない状況ですが、演奏会やイベント出演は検討されていますか?
サークルとしては21年春ごろに何かしらの形でライブを開催できたらな、と思っています。CUEだけではなく、九州各地のアカペラサークルにも出演を募りたいと考えています。
万全のコロナ対策を講じた上で、見栄えとして従来の生ライブに近いステージをつくりたいですね。
良い実例を作って、ぜひ背中で語ってほしいです!
今後の対面での活動について
対面での活動は、どのように考えていらっしゃいますか?
いまは全体会を対面で行おうと検討しています。九州地方の大学サークルは大学がNGを出していることが多く、サークルの皆さんが頑張って大学と交渉をされているようです。
そんな状況で、先駆けとして全体会を実施して良い事例をつくっていきたいです。
良いですね。成功例があると後に続きやすい、というのはあるかと思います。
(取材をしたのが9月上旬でしたが、その後CUEさんは実際に対面で練習をされていました!)
さまざまな団体が活動ガイドラインを制作されていますが、やはり「活動開始」の明確な基準がありません。しかも基準ができたとしても、それが発表される頃にはまたコロナの状況が変わっているかもしれません。
そうですね。様々な意見を取り入れながら、対面で集まる前提での前向きな活動を続けたいですね。そしてサークル全体が一体となり(Unite)、盛り上がっていくよう(Excitement)舵取りをしています。
なるほど。サークルの代表が前向きな姿勢でいると、サークル員もついていきやすいですね。しっかりと状況を俯瞰して検討されている様子も、とても伝わりました。
前向きな意見が多く、元気をもらいました。
先ほども申し上げましたが、成功事例をたくさんつくって背中で語ってほしいです!!!
ありがとうございます(笑)
活動は逐一Twitterで報告しているので是非ご覧ください!
本日は、ありがとうございました!
ありがとうございました!
最後に
以上、九州アカペラサークルCUEのたすくさん、Nagiさんにお話を伺いました。AJP編集部では現在「コロナ禍での音楽系団体の活動方法」に関して、本記事のような特集記事の制作を進めています。
これまでの取材一覧はこちらからご覧いただけます。
ウィズコロナの活動インタビュー編集後記
「コロナ禍」と「サークル1年目」という大変な時期が重なってしまっている中でも、自分の強みを生かしたサークル運営をしていて、私も「こんな環境でも何かできるはずだ!」と考えさせられました。全国のサークルの代表も、きっとそうだと思います。
CUEの成功と、それに続くサークルの発展を祈っています!
設立してすぐにコロナショックを経験したにも関わらず、「いま、できることをしよう!」と精力的に活動されるたすくさんが輝いて見えました。成功事例を積み重ねて、アカペラ音楽業界に元気を分け与えてくれるのではないかと、わくわくしています。