演奏上におけるタイミングのこと。
フリガナ | タテ |
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頻出度 | ★★★☆ |
ジャンル | その他・造語・派生語, |
使用シーン | 練習, ライブ, 音源制作, |
メンバーと呼吸を合わせる
アカペラの練習では「タテが合ってないよ!」「タテがきれいにそろってるね~!」というコメントが飛び交うことがある。この「タテ」とは、歌詞やフレーズ等を歌うタイミングが合っているかどうかを測る「縦の線」のことである。場面によっては、楽曲のリズムやテンポそのものを「タテ」と呼ぶこともある。
演奏の中でメンバー同士の呼吸が合っているかどうかを表すワードの1つだ。
「ィイィイェ(ビシ)ーー!!」
目に見えない「タテ」を無理やり「見える化」すると下図のようになる。
例えば「Yeah~!!」という歌詞の歌い出しで「タテ」がそろわないと、「ィイィイェ(ビシ)ーー!!」と聴こえてしまうだろう。歌詞が「Da」「Pa」「tu」のような言葉であれば、ズレがもっと鮮明になる。
「字ハモ」の場合は「1文字1文字のタイミングが合っているか」、「ベルトーン」であれば「各パートのタイミングが曲のテンポと合致しているか」が問われることになる。
そろえるって難しい(&面白い)
しかし実際には、図のようにパキッとタイミングを一致させることは大変難しい。同じ言葉でも「子音の溜め方」「しゃくり方」「発音前の息の吸い方」等のニュアンスが十人十色だからだ。人の個性はそろえることができない。
さらに、音源制作をする場合はメンバーが別々に録音することが多いので、難度がより高くなる。同一人物が多重録音する時でさえ、テイクによって微妙に歌い回しが異なるだろう。
そしてリズムの取り方にも色々な種類があり、必ずしもメトロノームの刻みとピッタリ合っていることが正解ではない。だから面白い。
本当に完璧にそろえることができればもちろん素晴らしいが、メンバーの個性・曲の特性を活かした上で「タテがそろっているように聴かせる」ことも重要である。
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