こんにちは!AJP編集部のわくです。
アカペラの歴史をまとめるプロジェクト「Harmory-History(略してハモヒス)」。
今回は、関西アカペラジャンボリー(KAJa!)やよりアイの立ち上げや運営に携わってこられた御三方をお呼びし、対談形式で当時の想いについて語っていただきました!
目次
ファシリテーター
筑波大学アカペラサークルDoo-Wop所属の大学3年生。Twitter
社会人アカペラー。長年、合唱・アカペラなど、ハモることを続けている。Twitter
ゲスト紹介
高校から大学と男声合唱団でアカペラを歌う。社会人となり長崎でグレゴリオ聖歌やバーバーショップで活動する中、アカペラグループを結成「タイムファイブ」「スタレビ」「14カラットソウル」などを歌っていた。その後関西に引っ越し、オリジナル曲などをレコーディングする活動に没頭。Lapis lazuli、The Voices of HAHSを結成。BREEZEにも参加し、「KAJa!」や「よりアイ」の創設に携わる。現在は本業の他にNoirとして活動する。
実の兄である【ZING】の影響でアカペラに出会い、PHACO達のイベントを手伝ううち、自分も歌いたくなってアカペラ を始める。その後プログループの活動を経て、現在はイベント企画や学生グループの指導など、若手育成にも力を注ぐ。また自身のグループでも『ハモるより記憶に残るアカペラ』を目指し、日々楽しんでいる。PHACOと二人で【よりアイProject】を主催
石川県金沢市にて合唱団で活動中、トライトーンの楽譜に出会う。当時地元では大学生のアカペラ グループが1組居たが、知った時には解散ライブだった。そのメンバーとの繋がりから数組が結成。ストリートライブが始まり、近江町市場の喫茶店でライブをやるようになった。当時は仲間内が集まるだけのライブだったが、徐々にハモネプが始まり、大人気に。もっと大きな所はないかとスタッフとして企画に携わり「HAL2009」(現在の金沢アカペラタウンの前身イベント)を開催。そんな活動の中で「よりアイ」や「あかぺらの家」などで全国に仲間が出来今に至る。
アカペラを始めた当時の様子
アカペラを始めた当時からみて、変化したと感じることはありますか?
昔は、とにかく仲間を増やして譜面を書かないとアカペラができない時代だったんですよ。
それで、同じ譜面が沢山回ってて、「Stand by me」 や「So much in love」 とか、皆が歌える曲が昔はあったっていう時代だったんですよ。今は各バンドがアレンジして特色出してやっている感じやよね。
たしかに、始めた頃は楽譜がなかったから、近くの楽譜を持っている人にお願いしたりしてました。
金沢の有能な人の楽譜が出回っていたりして、同じ楽譜を歌っている人が多かったですね。だから違う地域のアカペラー同士でも同じ曲を歌えたんですよね。みんなで歌うのが楽しかったんです。
よりアイに行き始めたのも、たとえ同じ曲でも違う人と歌うと全然違う風になるのが楽しくなっちゃって!それで、いろんな人と歌える楽しさにハマっていったんですよね。
そういう意味では、人とのつながりを大事にしているというスタンスは今でも変わらないものではありますね。
あとは、合唱時代と違って一人1パートでハモる繊細さにハマった。特にバーバーショップに出会ったのは大きい。また、上手くハモる為に古典調律の本を必死に読んで、本当に綺麗にハモる方法を研究したりもしてたね。
アカペラの教則本がない分、音楽の専門書で追求している人が多かったんでしょうか?
楽譜の入手が今ほど簡単じゃなかったんですよ。楽譜屋さんに行ってもアカペラの楽譜が無くて。自分たちで作るか、TRY-TONEさんが販売している楽譜本しかなかったんですよね。手段が限られていたから、どんどんマニアックにのめりこむ人が存在したんですよね。ステージに立たずに研究だけをするアカペラーもいましたし。(笑)
大学サークルも当時は少なかったですしね。
KAJa!の始まり
KAJa!を始められたきっかけついて教えていただきたいです。
まずは、当時Rag-Jakets(NHKファイトストリート 第2回優勝)が難波でストリートライブをやっていて本当に楽しそうで。そこで当時BREEZEの他含め3バンドに加入していたんだけど、一緒にストリートをやろう!ってやってみたんです。そしたらストリートだけじゃなくもっとイベントをやりたいという話になって、当時のクレクレの代表の人が「いいですね、やってみましょう」と。それで、せっかくだし大きなものをやりましょうとなって。
そこから始まったんですね!
最初は京都駅大階段でやるのが夢だったんですけど、費用的に厳しかったんですよね。
それで、大阪ドーム前の広場でやろうと思って聞いたんですけど、京都駅より高額だったんですよ。でも、何度か担当者と話をしていく内に、「それやったら無料で貸しますよ」ということで無料になったんですよ。
無料は凄いですね!?
それで最初にKAJa!(1998年)をやったとき、大学のサークルからも沢山来たし、岡山や関東からも来たし、香港好運や筑波大からおっくんも来てた。それで最終的にはプロも出ることになって、すごい盛り上がったんですよ。それで、2日目に時間のある人を集めて、2日目のKAJa!みたいなノリで歌ったんですよ。それこそセッションが中心で。
それで次の年(1999年)のKAJa!でも同じように2日目のイベントをしようとなって、それが「よりアイ」という名前に決まったんですよ。
詳しい「よりアイ」命名秘話はこちらから→よりアイHP コラム「命名秘話」
あかぺらの家
あとは、その時の会議から「あかぺらの家」というのも決まったんですよ。アカペラ初心者が集まって泊まりがけで練習して発表するイベントなんやけど。企画はやりたいって言ってた人にやらせましたが(笑)実はその時に集まったメンバーで「Noir」ができたんですよ。
僕も第四回か第三回の時にそこに参加して初めてアカペラしたんですけど、音楽知識ゼロの人間が、譜読みして、次の日の昼のステージに、ただ歌うだけじゃなくてネタも込みでやると。(笑)
普通は何ヶ月もかけてやるものを一日で..笑
あかぺらの家はいつまでつづいたんですか?
15回ぐらいかな。あとは、岡山でも派生してやったのかな。
金沢でも同じようなイベントが生まれて、それを富山の人が引き継いで、それが今でも続いてるのかな。
KAJa!もそうなんだけど、関西に集まったおじさん達が作った派生イベントが沢山あるんだよ。
今でも学生が引き継いで続いているって面白いよね!
それで最初は、土曜に「KAJa!」、日曜に「よりアイ」というのがずっと続いてたんですけど、やってきた人が歳を取ってきて。体力がもたなくなってきたんですよ(笑) それで、だんだん「KAJa!」から力を抜いて。「よりアイ」に力を入れるようになったんですよ。
その頃に、学生がチカラをつけて来て学生だけで「KAJa!」を運営できる状態になっていってね。
あとは、翌日の「よりアイ」も、子育てなどの都合でなかなか日程合わせが難しくなってきたので、じゃあ「よりアイ」は「よりアイ」で予定を決めようと。それで独立していったという感じです。
今ではKAJa!から完全に手を引いている感じなんですか?
もともと学生主体でやって欲しかったのもあったので、今は手伝ってません。でも、何かあった時にはお手伝いさせて頂いてますし、今は力強いバックアップもついてますので安心してます。
また、アカペラってお客さんも演者もとても行儀良いので場所を貸す側からも信頼されているようです。アカペラって素敵だな。ってそういう部分でも嬉しく思います。
よりアイ
「よりアイ」はどんなイベントなんですか?
基本的に「よりアイ」は、申し込んだ人を全員出演してもらうので断ったことがほとんどないんですよ。
50バンド超えたら皆さんにお願いして、MC削減とかステージ時間の調整とかご協力してもらって、なんとか詰め込んじゃうんですけど、それでもどうしても溢れてしまったら、泣く泣く締め切る感じ。今は30〜40組くらいかな。でも、ステージが空いてしまってもいいんです。そこで始まるのが『セッション』これが楽しいのよ(笑)全部自分達で作るイベントは自由だから、いろんな挑戦ができるんですよね。アマチュアイベントでストリーミング中継もやったのもうちが(たぶん)初めてやし。
配信をコロナの前からですか?
ですです!何年も前からです。子育てで行けないからビデオを送って欲しいといわれて。
それやったらストリーミング中継やなと。初期のWiMAXの時代から。(笑)
求められるから続けているっていう。共通の曲がなくなってきた今の時代でも、トライトーンの曲をやりたい人が集まったりするから、やるっていう、そういう感覚ですね。
私が行くときは、トライトーンの楽譜をパンパンに入れて行きます(笑)
みんな荷物めっちゃ多いもんね(笑)何が凄いって当日にリアルグループ歌おう!って揃うし歌えるし。そんなイベントです。あとは、何より失敗を恐れない。途中で止まろうが、歌詞忘れようが関係ない。とりあえず歌って楽しかったらいいと。そこが一番の想いですね。
あとは私のこだわりで。歌い手が歌いやすいように音響を作っているんですよ。とにかく中の音をきっちり作って、歌う人が歌いやすいようにしているんですよ。そこはだから、自分が歌う人間やから、この音で歌えたら最高やろなっていう音を作ってる。むしろ中音の方が良いもの使ってます。(笑)
お話を聞いていると演者をとても大切にしていると感じます。
ぜひ一度歌いに行きたいですね。
自分らが楽しく歌いたいっていうのが基本コンセプトやからね(笑)
だからなのか、プロの人たちもフラッと立ち寄って歌ったり。
長く続けているからこそ、みんなが気軽に立ち寄って楽しめるのかもしれませんね。
ぜひ遊びに来てください!
とても素敵ですね!ぜひ今度歌いに行きたいです。
ぜひ遊びに来てください!
アキペラ
10/23(土)にアキペラを開催されるそうですが、そちらについてお話をお聞かせいただきたいです。
「アキペラ」は「よりアイ」が年1回の活動だったので、PHACOさんに「もうちょっと歌いたいねんけど!」って相談したら「ほなもう1回やったらええやん。」と僕が立ち上げることになったんです。(笑)
その後もともと同じ想いでやってるの「よりアイ」と正式に合併して「よりアイProject」として春と秋の年2回の活動を始めました。
そうして「よりアイProject」が始まったんですね!
コロナ禍となり2020年からSYNCROOMを取り入れた企画も「よりアイ」や「アキペラ」内でやってみたところ、意外といけそうだったんですよね。
SYNCROOMは、回線の状態によっては半拍ずれるし、環境のハードルもあるけど、逆に、それが揃えば、遠隔で歌うのは可能だから、普及して欲しいと思ってます。
以前ベイビーブーの忍さんにインタビューした際も、SYNCROOMを利用されているというお話を伺いましたね..!(瀬川忍さんインタビュー記事はこちら)
それで、公募してSYNCROOMを使ってオンラインイベントを10月23日(土)にやろうとしているんですよ。
『Zoomでワイワイする』のがひとつと、『SYNCROOMでオンラインステージをやる』のがひとつと、『映像発表の場も創ろう』と。それを見ながらワイワイするだけでも楽しいんじゃないかと。
楽しそうです..!
あとは、PHACOさんのMixをリアルタイム中継するコーナーも予定してるんですよ。(笑)
それはすごいですね!
そういうのも、めちゃめちゃ興味がある人も居るんじゃないかと思うのでね。すっぴんの状態の演奏が、綺麗にお化粧したらどうなるのかを、みんなで見ましょうと。
ちょっと一般的なイベントとは違うんやけども、ニッチなことをやって盛り上がってるんやぞと、どうにかして発信しようとおもっているので、良い感じに発信をお願いします!(笑)
(笑)
出演については、社会人は一人1000円、学生は一人100円。100円ってなると手間のほうが大きいやんってなるかもしれんけど、応援の気持ちというか、こんなやり方あるんやでと伝えたい。オンライン打ち上げもやります。そこで裏話とかも色々聞けますしね。
今後はそれが世界的な流れになるのではないかと思うんですよ。例えばアメリカと繋いでVoxOneの松岡先生とハモったりね。5Gなら出来ると思うし。
夢が広がりますね!
【アキペラ2021おんらいん】大盛り上がりで終了
2021年10月23日に【アキペラ2021おんらいん】が開催されました。
リモートステージ11組、映像参加グループ5組、この日のために作ったコーラス伴奏動画に生演奏を重ねた、ハイブリッドステージが1組と、6時間ぶっ通しのボリューム満点のオンラインイベントでした。
途中、別のライブの終了直後のプログループ【clearance】が神戸の海岸からサプライズ乱入(笑)生歌を披露してくたり、レコーディングMIX企画では、録って出しのすっぴん音源が、キラッキラの素敵音源に成っていく様に驚愕したり。よりアイProjectでしかできない、そしてリモートだからこその楽しさを全力で味わえる1日でした。本当に楽しかったです。
『みなさまあってのよりアイProject!』今後とも楽しく続けていきます!
YouTubeにアーカイブが残っておりますのでぜひご覧ください。
チャンネル登録もよろしくお願いします!
各種リンク
ゲスト
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【のりさん】
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【ちかさん】
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よりアイProject
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