アレンジを教えてもらう時によく出てくる言葉ではないでしょうか。「Voice+ing…声イング??」と、言葉からは直接イメージしにくいのですが、簡単に言うと、曲中に出てくるコードの音の重ね順を調整するのがボイシングです。アレンジの際にはとても重要になります。
例を見てみよう!
「カデンツ」の解説で紹介した【C→F→C/G→G→C】というコード進行のコーラスを例に見てみましょう。
まず、出てくるコードの基本形はこちらです↓
次に、基本形の重ね方をそのまま4声の譜面に反映するとこうなります↓
皆さんが練習で歌っているカデンツを思い出してみて下さい。今回の場合ベースはこの譜面通りでOKですが、他のパートはこんな風には歌わないですよね(笑)。コードを基本形のまま繋げただけだと、コーラスのメロディとしては歌いにくくなることが多いのです。
そこでボイシングを施すと…↓
こっちが皆さんが歌っている形だと思います。FとGのコードの音の重ね順を変更する事で、メロディがなめらかになりました。普段何気なく歌っているコーラスのメロディにも、音楽理論的な工夫が隠されているのです。
関連用語として出てくる「転回形」や「オープンボイシング」「クローズドボイシング」などの詳しい説明はここでは省きますが、基本的に「重ねる順番を変えてもコードの種類は変らない」というのがポイント。1つのコードで何通りもの重ね方があるので、アレンジャーはその選択に頭を悩ませます。
アレンジャーとして
コーラスによって歌いやすい音域があります。メンバーひとりひとりに合わせて歌いやすい音域に音を持ってこられるよう、ヴォイシングしながら調整するとよいでしょう!
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